治験/臨床研究の流れ
治験/臨床研究に参加するには、主に2つのきっかけがあります。
- 担当医師から治験を紹介される
- 新聞やポスター、インターネットなどの募集広告から応募する
研究によって、年齢や性別、合併症や病歴など、参加できる基準が設けられています。それぞれの研究の参加条件に合っているかどうかは1,2いずれの場合でも、担当医師が判断します。
担当医師からの説明
担当医師から、参加の条件にあった患者さんに、研究の内容についての説明があります。治験では、その後、治験コーディネーター(CRC)からスケジュールや手続き方法などの補助説明があります。
担当医師、CRCからは、以下のような点について説明します。必要な場合は文書を用いてわかりやすい言葉で説明します。
- 「薬」、「治療法」について
- 研究の目的、方法
- 参加によって予測される利益と不利益
- 参加しても途中で止められること
- 補償について
- 個人情報の保護について など
わからないことや不安なことは、どんなことでも質問してください。
患者さんの同意
研究に参加するかどうかは、患者さんの自由意思によります。
研究に参加しなくても、患者さんの不利益になることはなく、今までどおり通常の治療を継続して受けられます。また、研究への参加は、その場ですぐに決めなければいけないものではありません。説明文書を持ち帰ってご家族と相談していただくこともできます。
研究へ参加することを決めた場合は、同意書に署名をしていただきます。署名をすることで研究への参加に同意したことになります。
また、一度参加を始めた後でも、参加を取りやめたいときは、いつでもやめることができます。その後も通常の治療を受けられます。
参加できるかどうかの確認
研究への参加に同意していただいた後、研究の参加条件に適しているかどうかを調べる診察や検査を行います。参加条件は研究ごとに決められていて、診察や検査の結果によっては、研究に参加していただけない場合もあります。
研究(薬、治療)の開始
研究で使用する薬や、研究で定めた治療法を一定期間、受けていただきます。研究のスケジュールに沿って、検査や診察を行います。規定された日に来院していただき、担当医師やCRCの指示に従って検査・診察を受けてください。
※患者さんから検体(血液や尿など)を提供してもらうだけの研究や、患者さんのデータを提供してもらう研究(観察研究など)では、この部分はありません。
副作用について
薬には、病気を治したり、予防したりする効果がある反面、好ましくない症状が出る場合があります。副作用とは、薬を使用した時に現れる薬の本来の目的以外の好ましくない作用をいいます。
治験/臨床研究は、安全性に十分注意を払って進められます。また、新しい副作用などが起きた場合は、すぐに参加されている患者さんにお知らせします。
もし、研究の参加中に好ましくない症状や体調の変化があった場合には、担当医師、CRCへお知らせください。
治験/臨床研究に参加するときに守っていただきたいこと
研究に参加される患者さんの安全の確保と正確な研究結果を得るために、研究への参加中は、担当医師の指示をしっかり守ってください。
- 決められたスケジュールがある場合、スケジュールを守って来院してください。
- 担当医師の指示どおりに薬の服用方法を守ってください。
- 研究参加中に、体に何か変化を感じたら担当医師にご連絡ください。